− 第1章 物質の構成−第5講 −

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1−5 原子の電子配置
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粒子くん 原子の周りを飛び回っている電子は、デタラメに運動しているのではなく、ちゃんとしたルールにしたがっている。
第5講では、この電子の飛び回り方を調べてみよう。
1.電子殻の構造
原子では、陽子に等しい数の電子が、原子核の周りを飛び回っている。この様子をモデル的に見ると、電子は、それぞれいくつかの軌道に別れて運動している。この電子が飛び回る軌道を電子殻(でんしかく)という。
電子殻は、下のモデルように、原子核に近い内側から順に、K殻L殻M殻,・・・・と名づけられている。
ボーアの原子モデル
電子殻の収容数
各電子殻には、無制限に電子が入れるわけではなく、各電子殻の電子の収容数は下表のように決まっている。
殻番号
殻名K殻L殻M殻N殻 
収容数18322n2


電子殻は、一番内側のK殻が最もエネルギーが低い。そのため、電子は内側の電子殻から順に配置されていく。
  
参考
L殻の近似原子モデル
実際の電子殻は、ボーアの考えたモデルとは異なっている。例えば、L殻は一つの軌道ではなく、4つの小軌道(s軌道が1個とp軌道が3個)が立体的に合体したものと考えられる。小軌道の電子の収容数はすべて2個である。したがって、L殻の電子収容数は8個となる。実際、K殻以外の電子殻は、すべて小軌道が合体した構造になっている。
近似原子モデルで表した電子殻の収容数
殻番号
殻名 K殻 L殻 M殻
小軌道 1s 2s 2p 3s 3p 3d
2 2 6 2 6 10
収容数 18

2.電子殻への電子の入り方と価電子
◆ 電子の入り方
電子が電子殻に配置されていくとき、エネルギーの最も低いK殻から順に配置されていく。下の図は、原子番号が18番のアルゴンの電子が配置されていく様子をアニメーションにしたものである。
アルゴンの電子配置
アルゴン原子には、18個の電子があるが、まず、K殻が2個の電子で満たされ、次にL殻が8個の電子で満たされる。残った電子はM殻に8個入る。

内の数字は、各原子の陽子数(正電荷数)を示す。また、円(同心円)は、電子殻で円周上の青丸は、電子を示している。
  
H 原子番号1〜18の原子の電子配置 He
1   2He
Li Be B C N O F Ne
3Li 4Be 5 6 7 8 9 10Ne
Na Mg Al Si P S Cl Ar
11Na 12Mg 13Al 14Si 15 16 17Cl 18Ar
価 電 子

◆ 価電子
ボーアの原子モデルにおいて、各電子配置で最も外側の電子殻(最外殻)に入っている電子の数をその原子の価電子と呼ぶ。上の表では縦の列の原子はすべて同じ価電子になる。
(注) 価電子は、次の2つの条件を満たすときはと数える。

1.最外殻電子がちょうどその電子殻の最大収容数の場合
2.最外殻電子が8個の場合
価電子は、原子のイオンになりやすさ、他の原子との結びつき方などの化学的性質を決めるカギとなる。また、ヘリウム,ネオン,アルゴンのような価電子をと表した電子配置をもつ原子は、化学的に最も安定していて、自然の状態では他の原子と結びつくこともない。このように、安定した電子配置になっている電子殻を閉殻という。

3.電子式
価電子を元素記号の上下左右に点で書き添えた式を電子式という。元素記号の上下左右の各コーナーに2個ずつ電子を書くことができ合計8個まで書ける。ただし、最初は、順番に四つのコーナーに一つずつ入れていかなければいけない。
電子式を考えるとき、上下左右がそれぞれ小軌道と考えると分かりやすい。各小軌道に入れる電子の収容数は2個であり、最初は順番にそれぞれの小軌道に電子を1個ずつ入れてあげる。
電子式


   

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