− 第1章 物質の構成−第8講 −

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1−8 イオン結合とイオン結晶
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4.組成式の読み方・書き方
イオン結晶を化学式で表すには、物質を構成する原子やイオンの数を最も簡単な整数比で表した式(組成式)を用いる。なぜなら、イオン結晶は多数の陽イオンと陰イオンが集まっているので、特定な数の原子の組み合わせからなる分子を表す分子式が使えないからである。
◆イオン結晶の組成式
イオン結晶は正の電荷の合計と負の電荷の合計が等しく、全体としては電気的に中性となっている。したがって、次の関係式が成り立つ。

正電荷の量 負電荷の量
(陽イオンの価数) × (陽イオンの数) (陰イオンの価数) × (陰イオンの数)
左のように、陽イオンの元素記号・右下にその数・陰イオンの元素記号・右下にその数という順に書いて表す。ただし、数が1の時は省略して書かない。また、名称は、陰イオンの元素名から読み、〜化・・・という。この例では、アルミニウムイオンAl3+と酸化物イオン2-であるので、酸化アルミニウムと命名する。

【例1】1価の陽イオンであるナトリウムイオンNa+と1価の陰イオンである塩化物イオンCl-の結合では、1価どうしであるので、
Na+Cl-の数が1:1で正負の電荷が等しくなりつり合う。
したがって、組成式はNaCl(1は省略)となり、名称は塩化ナトリウムとなる。

【例2】2価の陽イオンであるマグネシウムイオンMg2+と1価の陰イオンである塩化物イオンCl-の結合では、
Mg2+Cl-の数が1:2で正負の電荷が等しくなりつり合う。
したがって、組成式はMgCl2(1は省略)となり、名称は塩化マグネシウムとなる。
◆分子式から組成式へ
組成式とは、物質を構成する原子やイオンの数を最も簡単な整数比で表したものであるので、次のようになる。
【例1】分子式410を組成式にすると、2で約分できるので25となる。

5.多原子イオンを含む組成式
イオンの中には、ナトリウムイオンNa+や塩化物イオンCl-のように一つの原子がイオンになった単原子イオンの他に、硫酸イオンSO42-や水酸化物イオンOH-のように、2個以上の原子団がイオンになった多原子イオンもある。
多原子イオンの価数は、原子団を構成する各原子の価電子の合計が、最も近い8の倍数と同じになるとき、電子を放出するか吸収するかでほぼ決定する。
価電子はH=1、C=4、N=5、O=6、P=5、S=6である。

イオン式 名称 イオンの価数の決定
OH- 水酸化物イオン 価電子の合計は、6+1=7となる。 最も近い8の倍数は8なので、あと1個電子を吸収してイオンになる。したがって、負の電荷が1つ増え1価の陰イオンになる。
NO3- 硝酸イオン 価電子の合計は、5+6×3=23となる。 最も近い8の倍数は24なので、あと1個電子を吸収してイオンになる。したがって、負の電荷が1つ増え1価の陰イオンになる。
SO42- 硫酸イオン 価電子の合計は、6+6×4=30となる。 最も近い8の倍数は32なので、あと2個電子を吸収してイオンになる。したがって、負の電荷が2つ増え2価の陰イオンになる。
CO32- 炭酸イオン 価電子の合計は、4+6×3=22となる。 最も近い8の倍数は24なので、あと2個電子を吸収してイオンになる。したがって、負の電荷が2つ増え2価の陰イオンになる。
PO43- リン酸イオン 価電子の合計は、5+6×4=29となる。 最も近い8の倍数は32なので、あと3個電子を吸収してイオンになる。したがって、負の電荷が3つ増え3価の陰イオンになる。
CH3COO- 酢酸イオン 価電子の合計は、4+1×3+4+6+6=23となる。 最も近い8の倍数は24なので、1個電子を吸収してイオンになる。したがって、負の電荷が1つ増え1価の陰イオンになる。
NH4+ アンモニウムイオン 価電子の合計は、5+1×4=9となる。 最も近い8の倍数は8なので、1個電子を放出してイオンになる。したがって、正の電荷が1つ増え1価の陽イオンになる。
【例1】 ナトリウムイオンNa+と硫酸イオンSO42-の結合
  結合比 組成式 名 称
  2:1 Na2SO4(1は省略) 硫酸ナトリウム
  (注)多原子イオンを含む場合、名称には〜化・・・の化は付けない。
【例2】 アルミニウムイオンAl3+と硫酸イオンSO42-の結合
  結合比 組成式 名 称
  2:3 Al2(SO4)3 硫酸アルミニウム
  (注)多原子イオンの数が2個以上の場合、多原子イオンを( )で括る。
【例3】 カルシウムイオンCa2+と水酸化物イオンOH-の結合
  結合比 組成式 名 称
  1:2 Ca(OH)2 水酸化カルシウム
  (注)水酸化物イオンを含むの場合、名称は水酸化・・・となる。
【例4】 水素イオン+と硫酸イオンSO42-の結合
  結合比 組成式 名 称
  2:1 2SO4(1は省略) 硫酸
  (注)水素イオンと〜酸イオンの結合の場合、名称には水素を含めない。
【例5】 マグネシウムイオンMg2+と酢酸イオンCH3COO-の結合
  結合比 組成式 名 称
  1:2 (CH3COO)2Mg(1は省略) 酢酸マグネシウム
  (注)酢酸イオンを含む場合、組成式は陰イオンから先に書く。
★主なイオンの一覧

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