− 第3章 物質の変化−第5講 −

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3−5 いろいろな化学平衡
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4.緩衝溶液(かんしょうようえき)
少量の酸や塩基が加わってもpHが変化しないで、ほぼ一定に保たれる溶液を緩衝溶液という。一般に、弱酸とその塩の混合水溶液、または弱塩基とその塩の混合水溶液などは、緩衝溶液として用いられる。
■ 弱酸とその塩の混合水溶液(例:酢酸と酢酸ナトリウムの場合)
CH3COOH   CH3COO- + H+     ・・・・@(電離平衡)
CH3COONa  CH3COO- + Na+     ・・・・A(完全電離)

酢酸ナトリウムの電離で生じた多量の酢酸イオンのため、@式の平衡は左に移動して溶液のpHは酢酸が単独のときより大きくなる。

▼ この混合水溶液に酸(H+を加えると
CH3COO- + H+   CH3COOH
加えた酸(H+は、酢酸イオンと反応して除かれるため、混合溶液中の水素イオン濃度[H+に変化はなくpHは変わらない。

▼ この混合水溶液に塩基(OH-を加えると
CH3COOH + OH-   CH3COO- + H2
加えた塩基(OH-は、酢酸と中和反応して水になり除かれるため、混合溶液中の水素イオン濃度[H+に変化はなくpHは変わらない。


@式の電離定数aの関係式において、酢酸はほとんど電離していないので[CH3COOH]=[弱酸のモル濃度]、また、塩はほぼ電離しているので[CH3COO-]=[塩のモル濃度]とみなされる。
a =  [CH3COO-][H+
――――――――――――
[CH3COOH]
 =  [酢酸ナトリウムのモル濃度][H+
――――――――――――――――
[酢酸のモル濃度]

よって、緩衝溶液の水素イオン濃度[H+は次式により求めることができる。
[H+] =  a ×  [弱酸のモル濃度]
――――――――――
[塩のモル濃度]
■ 弱塩基とその塩の混合水溶液(例:アンモニアと塩化アンモニウムの場合)
NH3 + H2O   NH4+ + OH-     ・・・・@(電離平衡)
NH4Cl  NH4+ + Cl-     ・・・・A(完全電離)

塩化アンモニウムの電離で生じた多量のアンモニウムイオンのため、@式の平衡は左に移動して溶液のpHはアンモニアが単独のときより小さくなる。

▼ この混合水溶液に酸(H+を加えると
NH3 + H2O + H+   NH4+ + H2
加えた酸(H+は、アンモニアと中和反応して水になり除かれるため、混合溶液中の水酸化物イオン濃度[OH-に変化はなくpHは変わらない。

▼ この混合水溶液に塩基(OH-を加えると
NH4+ + OH-   NH3 + H2
加えた塩基(OH-は、アンモニウムイオンと反応して除かれるため、混合溶液中の水酸化物イオン濃度[OH-に変化はなくpHは変わらない。


@式の塩基の電離定数bの関係式において、アンモニアはほとんど電離していないので[NH3]=[弱塩基のモル濃度]、また、塩はほぼ電離しているので[NH4+]=[塩のモル濃度]とみなされる。
b =  [NH4+][OH-
――――――――――――
[NH3
 =  [塩化アンモニウムのモル濃度][OH-
――――――――――――――――
[アンモニアのモル濃度]

よって、緩衝溶液の水酸化物イオン濃度[OH-は次式により求めることができる。
[OH-] =  b ×  [弱塩基のモル濃度]
――――――――――
[塩のモル濃度]

5.難溶性の塩と溶解平衡
水に溶けにくい塩は、ごくわずかは溶けて飽和溶液になる。難溶性の塩にはいくつかの性質がある。
■ 溶解平衡

難溶性の塩の水溶液において、塩の表面からイオンとして溶け出す量と析出して固体にもどる量がつり合った状態を溶解平衡という。例えは、塩化銀AgClの場合、次のような溶解平衡が成立する。
AgCl(固)  Ag+ + Cl-

このとき、固体の溶解する速さ=固体の析出する速さとなる。
■ 溶解度積

溶解平衡が成立しているとき、温度が一定なら各イオン濃度の積は一定値となる。この値を溶解度積spという。
MX(固)  M+ + X-    sp=[M+][X-
MX2(固)  M2+ + 2X-    sp=[M2+][X-2

■ 共通イオン効果

溶解平衡にある溶液に、同じ種類のイオンを加えると、そのイオンが減少する向きに平衡が移動する。この現象を共通イオン効果という。
NaCl(固)  Na+ + Cl-    Cl-が増すと、NaClの結晶が析出


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