− 第3章 物質の変化−第6講 −

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3−6 酸と塩基の性質
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粒子くん 物質の中には、特有な性質を示すために特別な名称で呼ばれているものがある。『酸』や『塩基(アルカリ)』は古くから知られ、身近にもたくさんある物質である。この講では、酸性や塩基性・酸や塩基の定義について整理してみよう。
1.アレーニウスの定義(狭義の定義)
レモンのしぼり汁や食酢、胃液などは、酸味を示しリトマス紙をからにする。このような性質を酸性といい、酸性を示す物質をという。
胃液の成分は、塩酸(塩化水素+水)である。塩化水素は、水溶液中では次のように電離している。

塩化水素から電離により生じた水素イオンは、水分子の非共有電子対と配位結合をつくり、オキソニウムイオンになっている。
これを、反応式で表すと
HCl + H2O  H3+ + Cl-
しかし、水素イオンと水分子の結合からできるオキソニウムイオンは、
簡単にH+と表されることが多い。

HCl  H+ + Cl-
アレーニウスの定義によれば、水溶液中で水素イオン(H+)を生じる物質を酸という。
硫酸は、次のように電離が2段階で進行する。
 2SO4 + H2O  H3+ + HSO4-
 HSO4- + H2O  H3+ + SO42-
しかし、オキソニウムイオンを、簡単にH+と表すと、
 2SO4  H+ + HSO4-
 HSO4-  H+ + SO42-
これを、一つの式にまとめると、
 2SO4  2H+ + SO42-  と表すことができる。
また、灰汁や石鹸などの水溶液は、苦味を示しリトマス紙をからにする。このような性質を塩基性(アルカリ性)といい、アルカリ性を示す物質を塩基という。塩基のうち、水に溶けるものをアルカリという。
水酸化ナトリウムや水酸化カルシウムは、水溶液中で次のように電離する。
 NaOH  Na+ + OH-
 Ca(OH)2  Ca2+ + 2OH-
また、アンモニアは水に溶け下のように電離する。
 NH3 + H2O  NH4+ + OH-
アレーニウスの定義によれば、水溶液中で水酸化物イオン(OH-)を生じる物質を塩基という。
記号は、電離してイオンを生じるが、それらの中にはもとに戻るものもあることを示している。
また、酸や塩基としての性質を示すのは、水に溶けて+OH-に電離することが条件になる。

2.ブレンステッドの定義(広義の定義)
ブレンステッドは、水素イオン+の授受に着目し、酸と塩基を次のように提唱した。
ブレンステッドの定義によれば、H+を与える分子やイオンが酸であり、H+を受け取る分子やイオンが塩基である。
下記の反応において、右向きの反応では、塩化水素は+を与えるので酸であり、水は受け取るので塩基である。
また、左向きの反応では、オキソニウムイオンは+を与えるので酸であり、塩化物イオンは受け取るので塩基である。
下記の反応において、右向きの反応では、水は+を与えるので酸であり、アンモニアは受け取るので塩基である。
また、左向きの反応では、アンモニウムイオンは+を与えるので酸であり、水酸化物イオンは受け取るので塩基である。
コラム食品の酸性・アルカリ性の定義
 栄養学では、食品100gを空気中で燃やして灰にしたものを、中和するのに必要な0.1N(規定)の酸またはアルカリの体積から決めているようです。
 人間の血液のpHは約7.4に保たれていますが、食品が体の中で分解したとき、この血液のpHをどちら側に動かすかによって酸性食品とかアルカリ性食品とかが区別されます。
 レモンや梅干しなどの有機物の成分はほとんどが、炭素・水素・酸素ですから、燃えて炭酸ガスと水とに分解され、みんな飛んでいってしまいます。
 燃えかすの中に、ナトリウムやカリウムが多いとアルカリ性、硫黄やリンが含まれていれば酸性の食品となります。

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