− 第4章 無機物質−第5講 −

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4−5 硫黄と炭素とケイ素
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粒子くん 第5講では、硫黄原子、炭素原子、ケイ素原子を含む物質について、著名な単体や化合物の製法とその性質について整理してみよう。
また、物質中におけるそれぞれの原子の酸化数の変化についても整理しておこう。
1.硫酸の製法と性質
◆工業的製法としては、接触法が用いられる。
下の図中における、酸化バナジウムV25は触媒として働く。
2
──→
 
SO2 2
──→
(V25)
SO3 2
──→
 
2SO4
◆濃硫酸の性質 《参照》4章−第2講(濃硫酸の性質を利用)
No 性 質 反応例
1. 熱濃硫酸には強い酸化作用がある。 イオン化傾向の小さいCu,Hg,Agとも反応する。
《参照》二酸化硫黄の製法
2. 吸湿性が大きい。 中性や酸性の気体の乾燥剤として利用される。
ただし、塩基性のNH3や還元性のあるH2Sには使用不可。
3. 脱水作用がある。 有機化合物を脱水させるのに用いられる。
砂糖に加えると、砂糖から水分子わ奪い炭化させる。
《参照》エチレンの製法
4. 電離度が小さく弱酸である。 希硫酸を調整するには、水に濃硫酸をゆっくりかき混ぜながら加える。
5. 無色、粘性のある液体で、不揮発性である。 揮発性の酸の塩と反応し、揮発性の酸を遊離する。
《参照》塩化水素の製法
6. 不動態 Al、Fe、Niとは不動態(金属の表面にできる酸化物の被膜)をつくり反応しない。
◆希硫酸の性質
No 性 質 反応例
1. 強酸である。 弱酸の酸からなる塩と反応し、弱酸を遊離する。
  FeS + H2SO4 → FeSO4 + H2S↑
《参照》硫化水素の製法
2. 金属との反応。 イオン化傾向が水素より大きな金属と反応して、水素を発生する。

2.その他の硫黄を含む物質の性質
◆単体
同素体として、斜方硫黄・単斜硫黄・ゴム状硫黄が存在する。
◆二酸化硫黄の性質
製法:
亜硫酸水素ナトリウムに希硫酸を加える。空気より重く、水に可溶であるので、下方置換で捕集する。
反応式:
2NaHSO3 + H2SO4 → Na2SO4 + 2H2O + 2SO2

《参照》
4章−第2講(弱酸の遊離)
製法
No 性 質 反応例
1. 色や臭い ・無色で刺激臭がある気体である。
2. 還元剤としての反応 ・水に溶けて亜硫酸が生じる。
  SO2(還元剤) + H2O → H2SO3
・過酸化水素と反応して、硫酸を生じる。
  SO2(還元剤) + H22 → H2SO4
3. 酸化剤としての反応 自分より強い還元剤である硫化水素と反応するときは、酸化剤として働き硫黄を生成し白濁する。
  SO2(酸化剤) + 2H2(還元剤) → 3S + 2H2
4. 漂白作用 ・絹、羊毛、パルプなどの漂白に用いられる。
◆硫化水素の性質
No 性 質 反応例
1. 色や臭い 無色、腐卵臭、有毒の気体である。
2. 製法 硫化鉄(U)に希硫酸を加える。
  FeS + H2SO4 → FeSO4 + H2S↑
《参照》希硫酸の性質
3. 還元性あり 強い還元作用があり、二酸化硫黄SO2と反応すると、硫黄Sを生成し白濁する。
  SO2(酸化剤) + 2H2(還元剤) → 3S + 2H2
4. 硫化物の沈殿 多数の金属イオンと反応して、硫化物の沈殿を生成する。
《参照》4章−第6講(S2-との反応で沈殿を生じる金属イオン)

3.硫黄の酸化数と主な硫黄化合物
塩素の主な化合物中の塩素原子の酸化数は、+7のものから−1のものまで存在する。酸化数の最大の過塩素酸は他の塩素化合物に変化すると必ず酸化数は減少することになる。このような化合物は自分自身の酸化数が減少するので酸化剤としての働きをする。逆にある塩素化合物から他の塩素化合物への変化において、反応後、酸化数が増加していれば還元剤としての働きを示す。
硫黄の酸化数 硫黄化合物 性質
+6 硫酸
2SO4
・濃硫酸は酸化剤(例:H2SO4 → SO2)     
・希硫酸は強酸
+4 二酸化硫黄
SO2
・水に溶けると亜硫酸(弱酸)
・酸化剤(例:SO2 → S)
・還元剤(例:SO2 → H2SO4
硫黄
・3種類の同素体がある
−2 硫化水素
2
・弱酸
・還元剤(例:H2S → S) 

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