− 第4章 無機物質−第6講 −

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4−6 金属の単体と金属イオン
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粒子くん 第6講では、金属の単体の反応性や、金属イオンが他の陰イオンとの組み合わせでどのような沈殿物を生じかについて整理してみよう。
また、錯イオンについても整理しておこう。
1.金属の単体の反応性
◆イオン化傾向にそって、金属の反応性を整理してみよう。
大 ←    イオン化傾向    → 小
Ca Na Mg Al Zn Fe Ni Sn Pb Cu Hg Ag Pt Au
水との反応 常温でも水と反応し、水素を発生して溶ける。 高温で水蒸気と反応し、水素を発生して溶ける。
※Mgは熱水と反応して溶ける。
反応しない。
酸との反応 酸化力のない酸(塩酸・希硫酸)と反応して、水素を発生して溶ける。 酸化力のある酸と反応して溶ける。 王水と反応して溶ける。
※酸化力のある酸とは、熱濃硫酸・希硝酸・濃硝酸である。
       《参照》第4章−2講(酸化還元反応)
※王水とは、濃塩酸と濃硝酸を3:1体積比で混合したものである。
※金属が溶けるとは、イオンになって水溶液中に溶け出すということである。
反応式の例)
・Naは水と激しく反応するので、石油中に保存しておく。
ナトリウムと水:2Na + 2H2O → 2NaOH + H2
アルミニウムと塩酸:2Al + 6HCl → 2AlCl3 + 3H2
◆例外的な金属
金属 特 徴
Pb HClやH2SO4には、表面にPbCl2やPbSO4の膜を形成し溶けない
両性元素
(Al,Zn,Sn,Pb)
NaOHのような強塩基とも反応して、水素を発生して溶ける。
2Al + 2NaOH + 6H2O → 2Na[Al(OH)4] + 3H2
※[Al(OH)4-はテトラヒドロキソアルミン酸イオンという。
Fe,Al 濃硝酸や濃硫酸には、不動態を作るため溶けない。
不動態とは、表面にできる酸化物の被膜のことである。

2.金属イオンと陰イオンの沈殿反応
金属陽イオンは陰イオンとの結合で、水に難溶な化合物となり沈殿するものがある。その組み合わせと沈殿の色などの特徴について整理しておこう。
◆水酸化物イオンOH-(NaOH水またはNH3水)との反応
イオン価
+ 2+ + 2+ 3+ 2+ 2+
3+
2+ 2+ 2+ + +
2+
2+ + 2+ 2+
Ca Na Mg Al Zn Fe Ni Sn Pb Cu Hg Ag Pt Au
沈殿物を作らない。 水酸化物として沈殿する。
ほとんどの沈殿物は白色である。
有色の沈殿物はFe(OH)3が赤褐色Cu(OH)2が青白色である。
酸化物として沈殿する。
有色の沈殿物は
Ag2Oが褐色である。

上の表のように、ほとんどの金属イオンは水酸化物イオンを含む化合物(水酸化ナトリウムやアンモニア水など)と反応すると、水に難溶になり沈殿してしまう。
しかし、過剰に加えることにより、沈殿が再び溶解するものもある。

過剰のNaOHで沈殿が溶解するもの両性元素(Al,Pb,Zn,Sn)の水酸化物
Al(OH)3・Pb(OH)2・Zn(OH)2
Sn(OH)2
過剰のNH3で沈殿が溶解するものZn,Cu,Agを含むもの
Zn(OH)2・Cu(OH)2・Ag2
◆硫化物イオン2-(H2S)との反応
イオン価
+ 2+ + 2+ 3+ 2+ 2+
3+
2+ 2+ 2+ + +
2+
2+ + 2+ 2+
Ca Na Mg Al Zn Fe Ni Sn Pb Cu Hg Ag Pt Au
沈殿物を作らない。 塩基性・中性の下で沈殿する。上記以外の金属に、Co2+とMn2+がある。
ほとんどの沈殿物の色は黒色である。
有色の沈殿物はZnSが白色MnSが淡赤色である。
   酸性の下でも沈殿する。上記以外の金属にCd2+がある。
ほとんどの沈殿物の色は黒色である。
有色の沈殿物はCdSが黄色SnSが褐色である。
《参照》第4章−5講(硫化水素の性質)
◆塩化物イオンCl-(HCl)との反応
沈殿する金属イオン 化合物と沈殿の色 備  考
Ag+ AgCl(白色の沈殿) この沈殿は、アンモニアNH3水とチオ硫酸ナトリウムNa223に溶解する。
Pb2+ PbCl2(白色の沈殿) この沈殿は、熱水に溶解する。
Hg22+ Hg2Cl2(白色の沈殿)  
◆硫酸イオンSO42-(H2SO4)との反応
沈殿する金属イオン 化合物と沈殿の色 備  考
Ca2+ CaSO4(白色の沈殿) 左の金属を除き、他のほとんどの硫酸塩は水に溶けるものが多い。
Ba2+ BaSO4(白色の沈殿)
Pb2+ PbSO4(白色の沈殿)
◆炭酸イオンCO32-(Na2CO3など)との反応
沈殿する金属イオン 化合物と沈殿の色 備  考
Ca2+ CaCO3(白色の沈殿) Na+,K+,NH4+以外は水に難溶で沈殿するものが多い。
また、炭酸塩は塩酸などの強酸と反応すると、CO2を遊離して溶ける。(弱酸の遊離)
Ba2+ BaCO3(白色の沈殿)
Ag+ Ag2CO3(褐色の沈殿)
Fe2+ FeCO3(淡黄色の沈殿)
◆酸化クロムイオンCrO42-(K2CrO4)との反応
沈殿する金属イオン 化合物と沈殿の色 備  考
Pb2+ PbCrO4(黄色の沈殿)                       
Ba2+ BaCrO4(黄色の沈殿)
Ag+ Ag2CrO4(赤褐色の沈殿)
◆硝酸イオンNO3-(HNO3)との反応
沈殿する金属イオン 化合物と沈殿の色 備  考
硝酸塩は、水に可溶なものが多い。

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